KANI(カニ)織
カシミール地方の高地に生息するカシミヤ山羊から採れる、特に柔らかく上質な原毛を紡ぎ、熟練の職人が一枚一枚丁寧に手織りするカシミールショール。
その中でも「カニ織り(KANI)」と呼ばれる技法は、古来より受け継がれる希少な織りのひとつです。
この技法では、色ごとに分かれた糸を織りながら模様を描き出していきます。
柄の部分だけに必要な色糸を折り返しながら織り込むため、非常に高い技術と膨大な時間を要します。その精緻な手仕事によって生まれる美しい文様は、まさに織物というより“織られた絵画”のような芸術品。
担い手が年々減少する中、カニ織りのショールは今なお、その価値を理解し大切にされる方々に愛され続けています。伝統と美をまとう特別な一枚を、ぜひお楽しみください。